監獄から出て、半月の時が過ぎた。
俺は毎日訓練に明け暮れていた。
訓練は筋力トレーニングとシミュレーションを中心に行い、
毎日午前・午後の二回に分けて三時間ずつ行われる。
それ以外の時間は、本当に自由だった。
訓練を受けているのは俺だけじゃない。他に、年は俺とそんなに変わらないような奴らが20人程いたが、
なぜだか日に日に人数が減っていった。
奴らも俺と同じような経緯でここに連れてこられたのだろうか。まあ、そんな事はどうでもいい事だ。
この訓練の前には薬を飲まされる。
γ−グリフェプタンという名前の薬らしい。
これを飲むと、一時的にコーディネイターと同じくらいの能力を身につけることが出来ると白いスーツの奴―アズラエルとか
言ったか?―が言っていた。
確かに訓練中、俺は自分でも驚くほどの力を発揮できる。
気分がハイになって、何でも出来るような気がしてくるのだ。
今までに感じた事のない興奮はたまらなく気持ちがよかった。
だが、この薬には副作用があるらしい。
薬が切れると禁断症状に陥るのだ。
急に目の前が真っ白になり、息ができなくなる。そして体中に激痛が走り、思うように動けないのだ。
この症状を抑えるためには、さらに薬が必要になる。
つまり、薬漬け状態な訳だ。
俺はもう薬なしでは生きていけない。
一方でこんな薬を飲み続けていれば、いずれ身体が持たなくなり、間違いなく死に至るだろう。
どちらに転んでも、俺は死ぬ運命にあるのだ。
どうせ俺には初めから未来なんてものは存在しないのだから。
外の世界にいられるのなら、後はどうだっていい。
たとえ、これから死ぬのだとしても。
この時まで俺は間違いなくそう思っていた。
彼女と――と出会うまでは。
さて、前編でも話した通り今回はヒロインの名前だけ登場です(笑) しかも、文章みじか!
いよいよ、次回からヒロインも動き出します。前触れが長いと思う方もいるでしょうが、どうしてもここまでは書きたくて・・・。
次回は早めに更新できるように頑張ります!
読んでくださった方、本当にありがとうございました!