C.E.70 2月14日

コーディネイターの力を恐れた地球連合は先制核攻撃により、24万余の人々が住むプラントの一つ、 ユニウスセブンを破壊した。

この「血のバレンタイン」を契機に地球とプラントは全面戦争に突入する事となる。

私の両親と兄も、血のバレンタインによって亡くなった。

私はナチュラル達を絶対に許せない。













―この手で奴らを滅ぼすまでは―









































。今日からここが君の部屋だ。君は左側のベッドと机を使うように」

「はい、ありがとうございます」

ここはザフト軍士官学校、アカデミーの男子寮。

私は案内してくれた寮監長にお礼を言った。

「同室は二コル・アマルフィ。君より一つ下の15歳の少年だ。今日は休日だから出かけているんだろう。 まあ、追々挨拶しておきたまえ」

「はい」

「わからない事があれば、同室の二コルか私に聞いてくれ。食事の時間や施設の場所などの詳しい事は、 君の机の上に置いてあるマニュアルにすべて書いてある。よく読んでおくように」

そう言って、寮監長は部屋を後にした。



部屋を見回すと、中央にベッドが2つ置いてある。

2つのベッドは少し間を開けて縦に並べてあり、 私の机はベッドの左側に、同室の二コル・アマルフィの机はベッドの右側に置いてあった。

それぞれの机の横には、簡易タンスがしつらえてある。

他にはトイレとシャワー室が備え付けてあるだけで、殺風景な部屋だった。

「今日からここが私の・」

途中まで言って、口をつぐむ。

「っっと、いけない・・・。俺の部屋か」

そう、私は男としてザフトに志願したんだ。女言葉には気をつけないと。







私、―本名、―は女である。

ザフト軍には男として志願した。

男ならMSに乗り、前線で戦う事ができるからだ。

私は何としてでも前戦に出て戦わなければならない。









―憎きナチュラル達をこの手で滅ぼすために―







































私は、血のバレンタインで両親と兄を亡くした。

私の父はアカデミーを卒業したばかりの少年兵達の指導官で、2つ年上の兄もザフトの軍人だった。

この日―2月14日―、たまたま父と兄を含んだ少年兵達は農業プラントであるユニウスセブンを視察に訪れていたのだ。

植物科学者だった母も、ユニウスセブンにある農業研究所に仕事に行っていた。



一瞬の核爆発で、私は家族を失ってしまったのだ。



私一人だけ取り残されてしまった





















その後、私は母方の祖父母に引き取られ、そこで暮らす事になった。

幸い母方の祖父母とは親しくしていて、 二人とも快く私を受け入れてくれた。

しかし、私は二人に打ち解けようとはしなかった。

部屋に引きこもり、 食べ物もほとんど口にしない日々が続いた。

一人生き残ったって、これから先の未来に何の意味もない。

取り残されるくらいなら、私も両親や兄と一緒に死んでしまいたかった。

祖父母には申し訳ないけれど、何度も何度もそう思った。


















許せない。






















絶対に許せない。
























ナチュラル達を絶対に許せない。


























―どうせ生きてるなら、奴らに復讐してやりたい―



























ふと、そんな考えが頭をよぎった。

そうだ。

ここに毎日閉じこもっていたって何も変わらない。

どんなに願っても、もう両親と兄は戻ってこない。

どうせ死んでもいい命なら、前線で戦ってナチュラルに報復してやろう。

私は決めた。



軍に―ザフト―に志願しようと。




ただし、女としてではなく男として。



ザフトは身分・性別を問わず幅広く志願者を募っている。

しかし、女性はオペレーター職に就く 事が多く、MSに乗って前線で戦うことはごく稀なのだ。

それなら、男と偽って志願した方が確実に前線で戦えると私は考えついた。

男性とは体力的な部分でどうしても差が出るとはいえ、知能では劣らない自身があった。

私の家は、父が軍人だった事もあって教育面ではかなり厳しく指導された。

また、父曰く「女であっても、護身術くらいは身に付けておけ」と多少の訓練も受けている。  

数日間考えた後、私はこの事を祖父母に話した。

二人は私が初めて部屋から出てきたことを喜んでくれたが、この話にはもちろん反対 した。

軍に入るだけならまだしも、男と偽って志願するのはもってのほかだ、と。

私は一歩も引かなかった。

必死で祖父母を説き伏せた。

二人は納得がいかないような表情を浮かべていたが、私が何を言われても自分の意志を曲げる気がないと悟ったのか、

最後には「辞めたくなったら、いつでも帰っておいで」と言ってくれた。








































こうして今、私はここにいる。

簡単に男になると言っていた私だが、男装するのはかなり大変なことだった。

私はどう見ても女顔である。声の高さはアルトと言っても、少し高い方で、男の声と間違われた事はない。

おまけに、女としては胸が結構ある方なのだ。

一番困ったのはこれだった。

顔は母親似だと言って、髪をばっさりと切ってしまえば、少し厳しいが男に見えなくもない。

声は意識して低く出すようにすればいい。

でも、胸はさらしで押し付けるにしても限度があった。

これでは、胸を触られた時に女だとバレてしまう。

そんな時、祖母が防弾チョッキを服の下に身につけたらどうかと提案してくれた。

今の防弾チョッキはかなり薄いらしく、服の下に着ていることすらわからないという。

驚いた事に、素材はスチールではなくダイニーマという有機繊維なのだ。

この繊維は最高レベルの強度を誇り、スチールの10倍の強度を持つらしい。

購入後すぐに着用してみると、確かに頑丈だが、信じられないほど軽くて薄い。

あまり薄着はできないけれど、軍服やパイロットスーツを着ていれば全く目立たない。

これなら、例え胸を触られたとしても、防弾チョッキの中にある防弾パネルのおかげで誰もが男の胸板だと思うだろう。
胸板にしてはいささか頑丈すぎるのは否めないが、こればかりは仕方がない。

なるべく触られないように気をつけるしかないだろう。

外見はおせじにも男らしいとは言えないが、なんとか男装できている。






部屋を片付け終わり、そろそろ夕食の時間かという時に、突然部屋のドアが開いた。

「あれ?」

入ってきたのは、緑色の髪の小柄な少年―おろらく、同室の二コル・アマルフィだろう―だった。

部屋に私がいたので驚いているようだ。

「あっ、今日から同室になるで・」

私は慌てて口をつぐみ、一つ咳払いをしてから言い直した。

だ。よろしく」

いきなりの出来事に心の準備が出来ていなかったため、危うく素で話すところだった。

「ああ・・そうでしたね、スイマセン。僕は二コル・アマルフィです。 これからよろしくお願いします」

そう言うと、彼は笑顔で手を差し出した。

天使のように可愛らしい笑顔を浮かべている二コルと握手を交わしながら、私も自然と笑顔になる。

外見は年齢よりも少し幼くみえる。純粋で、素直そうな性格の少年に思えた。

彼―二コル―とは上手くやっていけそうかなと少し安心した。

さっきの事も別段気にしていないようだし。

と呼んでいいですか?僕の事は二コルで構いませんよ」

「ああ。改めてよろしくな、二コル」

今度は意識して男らしく返事をした。

「そろそろ夕食の時間ですよね。よかったらも一緒にいきませんか?僕の友達を紹介しますよ」

二コルはそう言いながら、私服から軍服に着替え始めた。

私は目の前の光景に驚いてあやうく叫びそうになったが、必死に それをかみ殺し、なるべく二コルを見ないようにして返事をした。

「いっ・・・いいのか?」

「もちろんですよ。彼らにもを紹介したいですし。みんな癖のある性格ですけど、いい人達ですよ」

彼は嬉しそうに答えた。

私は平静を保つのに精一杯で、引きつったような笑顔を返すことしかできなかった。





































ついに完成しました!! イザーク夢小説。ずっと書きたくて書きたくてしょうがなかったイザーク夢ですv でも、今回イザーク出番なしです(←おい!)
オルガ夢の時もそうでしたケド、 私が夢小説を書くと、最初は相手かヒロインのどちらかしか出てこないんですよね(汗) 本当にスイマセン・・・。
おそらく次回もイザークの出番は少ないですケド、この話結構長編になりそうなんで、流れ的にこうなってしまいました。 まず、ヒロインが男装するきっかけに至るまでの話をどうしても書きたかったんで。

防弾チョッキの件は、一応ちゃんと調べました。私も防弾パネルは鋼で出来てると思っていたんで、繊維だと知ってかなりびっくりしました! 繊維で銃弾が防げるんですね〜。現代の技術開発はすばらしいですね。

あいかわらず、文才のない文章です(涙) 表現に乏しいために、同じ言葉を多用したり、まわりくどい説明部分が多くなってしまいました。 その当たりは目を瞑ってあげて下さい・・・・・・・
もう原稿はできてるんで、続きは3日以内にはupします。

最後になりましたが、読んでくださって本当にありがとうございました!





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