がアカデミーに来て2週間が過ぎた。
初日の事件からその後も色々と冷汗をかくことはあったが、も多少男装生活に
慣れてきたのか、それなりに平穏な日々を送っていた。
週空けの月曜日。
アカデミー内の各教室はざわめいていた。
今日は先週行われた試験の結果発表の日なのだ。
上位50名は玄関前の掲示板に張り出されるのだが、先に朝のHRで成績表が返却される事になっていた。
「、初めての試験はどうでしたか?」
隣の席に座っていた二コルが声を掛けてきた。
「まあまあかな」
と答えたが、結構自信があった。
シミュレーションに不安は残るものの―ここに来るまではほとんどやった事がなかったのだ―、得意の
情報処理は完璧と言っていい出来だ。
他の分野も8割以上は確実だろう。
「二コルは?」
今度は私が二コルに振った。
「僕も普通ですよ。今回もきっとアスランがトップでしょうね」
そう二コルが言うなり、前の席にいたイザークがものすごい形相で彼を睨んだ。
「二コル、貴様今何か言ったか?」
「い・・・いえ、何でもないですよ・・・・・」
ものすごい威圧感を発するイザークに二コルは口ごもる。
イザークは「フンッ」といった表情で二コルを見下ろすと、前に向き直った。
彼はアスランをライバル視しているのだろうか。
「イザークってアスランの事嫌いなのか?」
私は小声で二コルに尋ねた。
二コルは前にいるイザークを気にながら、
「ええ・・まあ、そうでしょうね。イザークはアスランの事をなにかと敵視してますから」
「どうしてなんだ?」
と再び問い返すと、二コルは私の方に近づいてきて
「イザークはすべてにおいてアスランに勝った事がないんですよ。つまり、いつも2番なんです」
と耳打ちした。
「そうなのか」
私は斜め前の席にいるイザークをちらりと見た。
確かにプライドが高そうな人間に思える。
見た目は人形のように綺麗で大人しそうなのに、心の内には激しいものを秘めているような感じだ。
そんな事を考えていると、先生が教室に入ってきた。
「今日はみんなも知っている通り、今から、先週行ったテストの成績表を返す。名前を呼ばれたら取りに来るように」
先生が生徒の名前を一人ずつ呼んでいく。
「・」
「はい」
名前を呼ばれ、返事をして成績表を受け取った。
見ると、総合成績は2位。
得意の情報処理は1位。
シミュレーションが3位。
他の分野はすべて2位だった。
まあ、初めだからこんなものかなと思った。
1位は二コルの言っていた通りアスランなのだろうか。
成績表を返却し終えて先生が教室を出て行くと、一斉に教室が騒がしくなった。
「、どうでしたか?」
再び二コルが声を掛けてきた。
「初めてにしては、結構よかったよ」
「僕はいつもより・・」
二コルがそういい掛けた時、突然前の席から怒鳴り声が聞こえてきた。
「どういうことだ!! おい、答えろ!ディアッカ!!」
イザークがディアッカの襟首に掴みかかる。
「おい、イザーク落ち着けって!そんな事俺が知るわけないだろ・・」
「なんで俺が3番なんだ!順位が下がってるじゃないか!!」
今にもディアッカを絞殺するかの勢いに、見かねた二コルが止めに入った。
「イザーク、少し落ち着いてくださいよ」
「もしかして二コル・・貴様が2番なのか!?」
二コルを見て、気がついたようにイザークが問い詰める。
「違いますよ。僕だって4位に下がったんですから・・」
「じゃあ、誰が俺を抜いて2番になったんだぁ!!」
イザークはかなり頭にきているらしく、2人がかりでは抑えが効かない。
「イザーク、ちょっと落ち着けよ。150人中で3番なんだろ?俺なんか9番だぜ?
1番下がったくらいでガタガタ言うなよ」
急にラスティが話に入ってきた。
「貴様と一緒にするなぁ!ただでさえいつもアスランに抜かれているのに、その上他の奴にも抜かれたんだぞ!!」
当のアスランはこちらを全く気に掛ける事もなく、黙って教科書を読んでいる。
その判断は賢明だと思う。
今のイザークに何を言っても焼け石に水だ。
「だからってわめいてどうにかなるわけ?わめけば成績が上がるのかよ。
わめいてる暇があったら、今度の試験に向けて勉強する方がいいんじゃねーの?」
最もな事をいうラスティにイザークは何も言い返せなかった。
わなわなと唇をかみ締めながら、大人しく席に着いた。
ディアッカと二コルもやっと収まったというように安堵のため息をつくと、それぞれ席に戻った。
するとディアッカが気がついたように、
「そういや、はどうだったんだ?」
と、私の手元から成績表を抜き取った。
「あっ!おい、ディアッカ!」
私は必死に取り返そうとした。
イザークに知られたらただでは済まない気がすると、さっきのやり取りを見て思ったからだ。
だが、もう手遅れだった。
「2番!?おい、すげーじゃん!! 情報収集が1番って事はアスランよりいいじゃねーか!」
時すでに遅し。
ディアッカは成績表を見るなり、驚きのあまり大声で叫んだのである。
近くにいた生徒達が一斉に私の方に目を向ける。
特に、前の席にいるイザークからの視線が痛い。
「が2番だったんですか!?」
「すげーじゃん、!」
二コル、ラスティも感嘆の声を上げる。
「は情報処理が得意なのか?」
今まで黙っていたアスランがここではじめて口を開いた。
「えっ、あ・・ああ。前の学校で専攻してたんだ・・・」
すると、目の前で睨んでいたイザークが、「貸せ!」とディアッカから私の成績表を奪い取った。
それを見た途端、彼はみるみると怒りに震えていく。
イザークに返せよと言おうとした時、
「貴様が2番だったとはな」
と恨みたっぷりな言葉を突きつけられた。
怒りのあまり、彼の眉間にはたくさんのしわが刻まれている。
なんとかこれ以上イザークを怒らせないようにしようと思い
「たっ、たまたまだよ・・」
と言ったがその努力も虚しく、返ってイザークの怒りにさらに火を点ける結果となった。
襟首を掴まれたと思うと、耳が痛くなるほどの大声で怒鳴りつけられた。
「たまたまだとぉ・・・。貴様ぁ!ちょっと成績が良かったくらいで調子に乗るなよ!次の試験はこうはいかないからな。
覚えていろ!!」
そう言い捨てると、イザークは私に向かって成績表を投げ捨てて教室から出て行った。
しわくちゃになった成績表を拾いながら、私はディアッカを睨みつけた。
「悪い・・ついびっくりしちまって・・・」
彼に悪気がなかったのはわかっていた。
でも、イザークのあまりにぶしつけな態度に、誰かを恨まずにはいられなかったのだ。
この日を境に、アスラン同様、私はイザークに敵視される事となる。
この出来事さえなければ、私の秘密がイザークにばれることもなかっただろう。
イザークに対してある感情が生まれる事も・・・・・・・

第3話です。やっと、ヒロインとイザークが絡んでくれました。まぁ、ありがちなお話ですね・・・汗。
今回の出来事がきっかけで二人に接点ができるわけですが、当分はこんな感じだと思います(笑)
次回は、ついにヒロインの秘密がイザークにバレてしまいます(←え?早いって・・・?)
そういえば、アカデミーって期間はどれくらいなんでしょうか?私は3〜5ヶ月くらいだと思って話を進めています。
まぁ、あまり長い間訓練してるとは思えませんしね。その間に戦争終わっちゃっても困りますし(笑)
アカデミーの設定は私が勝手に作ってるんで、公式設定とは違います(←そもそも、アカデミーについての公式設定は出てるんだろうか?)
というわけで最後になりましたが、読んで下さった方、本当にありがとうございました!