が女だという事を知って以来、俺はを避けるようになった。

元々あいつとはよく話す程の仲ではない。

俺より一ヶ月も後にザフト入隊したにも関わらず、アカデミーの成績をあっさりと抜かされてしまい 腹の立つ存在でしかなかった。

ただでさえアスランにも勝てないというのに、新入りに先を越される事は俺のプライドが許さなかった。

毎日勝負を挑んではみたものの、シミュレーション以外は全く歯が立たない。

女みたいな顔をしてすべてをそつなくこなすあいつにイライラした。





フェンシングの勝負中にが倒れたせいで女だとわかった時は愕然とした。

今まで女に勝てなかったという事実は、俺のプライドを見事に打ちのめした。

誰よりも優れているという優越感に浸る事で自分の存在意義を確かめようとする俺にとって、 年下や女に負けるなどというのはひどく屈辱的な事なのだ。

ザフトに入るまでは、俺は常に一番だったから。

アスランは疎か、女にまで負けてしまう自分を心底情けなく思った。











血のバレンタインで家族を失い、その復讐の為だけに性別までも偽ってザフトに入隊しようという 決意は並大抵のものではないだろう。

女でもMSのパイロットにはなれる。

だが実際前線に出てるのは男ばかりだ。

例えがその辺の男より優れた能力を持っていたとしても、『女である』というたったそれだけで 、最初から良いようには扱われないだろう。

男と女では力の差は歴然としている。

男なら、優れた能力を持っていればすぐに優遇される。

少しでも早く復讐を成し遂げる為に、男と偽ることを選んだのだろう。

はこの事を黙っていて欲しいと言った。

俺はが女であろうと始めから他の奴に話す気はなかった。

同じコーディネイターとしての気持ちはわかる。

俺だってナチュラルは憎い。

だから今こうしてザフトの士官学校にいるのだ。

だが事実を知ったからといって、手を貸してやるつもりもなかった。

余計な事に首を突っ込むのは面倒だ。

あいつのしたいようにすればいい。

俺には関係ない。

そう思っていたのに――――――



あの日から俺は、の行動が常に目に付くようになった。

気がつけば、を以前と同じように見れなくなっている自分がいた。

つまり―――『女』として見てしまうのだ。

女らしい綺麗な顔立ち、線の細い華奢な身体つき。

一度女だと認識してしまうと、どこからどう見ても女にしか見えなくなった。

そう思えば思うほどを意識してしまい、まともに顔を合わせることすらできなくなってしまった。

なるべくとは会わないように自然と避けてしまう。

なぜこんなにを意識してしまうのか自分でもわからなかった。

あの日のの――の――涙と笑顔が頭から離れなかった。

















先日、シミュレーションの授業でとペアを組むように指示されて、俺はかなり焦った。

とてもじゃないが今はあいつと勝負などできないと思った。

俺はシミュレーションだけはに負けたことがない。

はシミュレーションが苦手なのだ。

それでも3位という成績で俺の後につけているのだからすごいのだが、 おそらく士官学校で初めて経験したからだろう。

普段の俺なら勝つ自身は十分にあった。

だが今の状態でと勝負して、冷静に判断できるとは到底思えない。

この時間中と向かい合っていることなど耐えられない。

には悪いと思ったが、二コルにペアを代わってもらった。

あいつはどうしてという顔を俺に向けていたが、見て見ぬ振りをした。







そして今日、俺は自分がに対してある感情を抱いている事に気づかされた。

ナイフ戦の授業の事だった。

授業の最初に模範試合として、成績上位者であるアスランとの試合を見学させられた。

二人の試合から今の自分達に足りない部分を見つけ出し、それを自らの技に取り入れるようにと教官は言った。

俺は自分自身が選ばれなかった事への悔しさを噛み締めながらも、なぜかに襲い掛かるアスランを見て 内心穏やかでなかった。

俺の心中とは裏腹に、はアスランの力強い切り込みを軽々とかわしていく。

ナイフは練習用の擬似ナイフを使用している為、仮に当たったとしても擦り傷か打ち身程度で済む。



だがは女だ。



男よりも身体が頑丈に出来ていない。

多少の怪我でも危害は大きいかもしれない。

そんなことばかりが脳裏をかすめた。



しばらくしてアスランはのほんの一瞬の隙を突くと、ナイフを持った方の腕を掴んで 後ろに押し倒し、首元にナイフを突きつけた。

「勝負あったな」

アスランが静かに言った。

は息を切らしながら、

「・・俺の負けだ」

と悔しそうに笑った。

試合は僅差でアスランの勝ちに終わった。

「よし、やめ!惜しかったな。だが、二人ともいい試合だった」

教官は二人を褒めると、早速全員に練習をさせた。







授業が終わって更衣室に戻る時、近くを歩いていたと不意に目が合った。

は少し疲れた顔をしていたので、つい「大丈夫か」と声を掛けそうになった。

俺は寸でのところでその言葉を呑み込み、から目を逸らした。

今何をしようとしたんだ?

俺は一体どうしたっていうんだ。

に対して今まで通り接するんじゃなかったのか?

女だと思わないと言ったはずだ。

それが、 さっきの試合でがアスランに押し倒された時、俺はその場を立ち上がりそうになった。

心配で気が気じゃなかった。

言っている事とやっている事が全く食い違っている。

俺は女は嫌いなんじゃなかったのか?

何をそんなにを意識しているんだ?

自分で自分がわからなかった。




































今回は番外編です。イザーク視点でヒロインの秘密を知ってからの心情変化を描いてみました。

にしても・・なんてひどい文章なんだろうか(汗) マジで文章力無さ過ぎ。ホント申し訳ないです・・・涙。
続きはまた明日upするつもりです。こんな文章でよければお付き合い下さいませ。

それでは最後になりましたが、読んで下さった皆様、本当にありがとうございました!!









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